どうそ満後援会ニュース  2002年秋号
 
          きりぎりすおのが垣根によもすがら
               鳴く音身にしむ秋は来にけり
                             (源 俊頼)
 著さ寒さも彼岸までとやはり昔の人は良く言ったもので、ことしの猛暑も彼岸になれば凌ぎやすくなり朝には冷え込むまでになりました。皆様お元気ですか。
 飯塚市議会では、9月6日より9月24日まで定例市議会が開催されました。
 今回の市議会では、16日の休日に5名の一般質問を行う事を決め、質問通告の受け付けをしたところ通告議員がわたしを含め7名とになりましたので、わたしは翌17日に「人材育成事業(中学生の海外派遣事業)について」と、「中心市街地の活性化について」の2点に関して一般質問を行いました。
 
☆平成14年9月定例市議会報告
 9月定例市議会が、9月6日より9月24日まで開催されました。
 今回の定例市議会では、平成14年度の一般会計補正予算(第2号)を始め16の議案と認定議案3件、議員提出議案5件、報告事項5件について審議が行われました。
 また、13年度飯塚市一般会計歳入歳出決算の認定等9件の決算認定議案については決算特別委員会が設けられ休会中に審議されることになりました。
 今回の一般会計補正予算の主なものは、携帯電話用ホームページシステム開発委託料、生活保護電算システム開発委託料、黒萩地区改良住宅事業の追加、図書購入費増加等の1・億687万4千円の補正予算が組まれました。
 議員提出議案では、「道路財源の確保等に関する意見書」、「地方財源の充実確保に関する意見書」、「食品品質表示制度等食品の安全確保を求める意見書」、「奨学金制度の拡充を求める意見書」、「介護保険制度の改革を求める意見書」が可決されました。
 今回の市議会では、昨年に引き続き9月16日の振り替え休日に市議会を開会し多くの市民の皆様に一般質問の傍聴を呼びかけたところ、昨年は55名程度の傍聴に対し今年は約80名程度の傍聴がありました。
 この状況を見て、今後休日議会を開催するのかどうかは、議会で論議されていきますが、わたしは、通常の開催日の2、3日ほど開会時間を遅らせ、一般質問を午後6時から9時程度の時間帯に掛かる様にすれば、仕事帰りの多くの市民が傍聴することが出来ますし、市民の皆さんも市の職員も休日を有効に使えますので、一度試しに行ってみてはどうかと思っています。
 
☆嘉飯山2市8町合併協議について
 8月1日嘉飯山地区の2市8町の合併を目指して、「嘉飯山2市8町合併任意協議会」が発足しました。
 この合併任意協議会では、嘉飯山2市8町の合併に関する協議(合併の可否を含む)合併後の新市将来構想の策定、合併についての住民への説明手法、その他合併に関し必要な事項について協議をしていきます。
 これまで3回の会合が行われ、来年3月までの協議日程が確認されました。
 また、市民の皆さんへのこの協議会の進捗状況報告は、広報誌の発行、ホームページの開設、説明会の開催を通じて行われます。
 わたしもこの合併任意協議会へ飯塚市の委員として参加していますが、飯塚市の合併間遠調査特別委員会で、今年の4月に5つの自治体が合併した香川県さぬき市、と今年の12月に3つの自治体が合併任意協議会から合併法定協議会に移行する広島県廿日市市に行政視察に行き、この際に合併に際して特に大事なのは,どことどこの自治体が合併するかという枠組みが重要であると両市の意見でありました。
 また、今回の合併については合併特例法に基づいて協議されますが、この法の期限は平成17年3月31日となっていますので、2市8町での合併の可否の判断は早い時期に行い、もし、2市8町以外での合併を選択する事になった場合でも、法の期限内で何らかの枠組みで合併をすることが、地域の活性化に必要であると考えて臨んでいます。
 
☆第3次行財政改革実施計画決まる
 わたしは、これまで市の財政見通しの甘さを指摘し、行財政改革に取り組むようにここ数年言い続けて来ました。
 現在、飯塚市では平成10年度より14年度までの5年間の計画で第1次・第2次の行財政改革に取り組んでいますが、その計画の中で市の所有する土地の売却益30億円を見込んでも、平成19年度には市の財政状況は赤字になるので、早急に第3次行財政改革実施計画案のとりまとめをする様に、これまで要望してきました。
 今年の6月市議会では、4月以降一度も行財政改革の会議が開催されていないことを踏まえ、財政状況に対する危機意識の欠如を指摘し、削減目標額を設定し第3次行財改革への取り組む姿勢を明確に示し、9月議会には実施計画案を必ず提出する様に一般質問を行いました。
 この際、平成15年度より19年度までの5年間の第3次行財政改革では、市有地が売却出来ない事を前提とすれば、金額にして最低でも30億円の削減目標が必要であり、現在の職員定数720名については、合併間者調査特別委員会に出された資料「財政シミュレーション等報告書(案)概要版の中の人口に対する職員数の計算式を用いて、単純に5年間隔で将来人口と職員数を示し、市の業務で民間委
平成12年  人口80651人  職員数645名
平成17年  人口77373人  職員数623名
 民間委託の出来るものは民間にお願いし、市民に対するサービスの量・質の低下は避けながら行財政改革に取り組む様に要望していましたが、今回その要望に沿った内容で平成15年度より5年間で、歳出削減額33億5584万4千円、職員定数を720名より63名削減し657名とする、第3次行財政実施計画案が議会に示されました。
 この結果、平成10年度から19年度までの10年間の行財政改革で、次のようになります。
         市の職員定数             財政効果
   平成9年4月1日現在の定数  847名        第1次52億円
   平成14年4月1日現在の定数 720名        第2次36億円
   平成19年4月1日計画数   657名        第3次34億円
          職員削減数 190名        合計122億円
     
 この中で、5年間の期間内の民間委託、民営化に取り組むものは、愛生苑の調理部門、斎場、公園管理業務、保育所を1箇所となっており、保育所については保育行政の在り方について検討することになっています。
 また、給食センター、終末処理場の管理、環境センターの管理については、期間以後に民間委託をする方向で検討することになっています。
 
☆市議会の議員定数を考える
 今回の第3次行財政改革実施計画案で第1次よりの職員定数の削減率は10年間で約22.4%になります。
 前回の市議会の議員定数削減を考える際は、第1次行財政実施計画での職員数削減は82名であり削減率が約9・7%となっていましたので、この削減率から市議会議員定数を33名から3名減の30名としました。
 その後、第2次の行財政改革実施計画に取り組むことになりましたが、この時の職員定数の削減は45名で、第1次よりからの削減率は約15%となりましたが、議員の定数の見直しは、平成11年の改選後に行うことに多くの議員が同意していました。
 この考えから行きますと、第1次前の33名の議員定数から22,4%の議員の削減を考えると約7,4人の削減を行い新規の議員定数を25,6名とすることになります。
 わたしの調べでは、飯塚市と同様な人口規模の全国225都市の議員定数の分布を見てみれば、55都市が26名と一番多くなっていますし、この定数より少ない都市は106都市もありますので、次回の改選は平成16年3月末ですが、早い時期に議員の定数見直に取り組むべきだと考えています。
 
☆人材育成事業に関して一般質問を実施。
 今年も7月23日から29日まで、第2回目の高校生海外派遣事業が行われ、その報告会が8月25日に開催されました。
 また、7月24日から8月8日まで、第10回目の中学生の海外派遣事業が行われ、その報告会が9月7日に開催されました。
 わたしは、残念なことに他の行事と重なりどちらの報告会にも参加出来ませんでしたが、報告会での生徒たちの感想文を読んで見ますと、訪問先に滞在中も多くのことに感動し、帰国後もメール交換を行ったり、この事業に参加して有意義であったと皆答えています。
 ただ、残念なことは高校生の参加者全員の感想文は全て報告会の資料に掲載されていますが、中学生の感想文は今年から4名のみ報告会の資料に掲載される様になりましたが、他の生徒の感想文が掲載されていませんし、これまでの参加生徒の感想文は報告会の資料には掲載されていませんので、全ての生徒たちの感想を知ることができなかったことです。
 この二つの事業は、「明日の飯塚市を担う人づくり」を目的に行っていますが、特に中学生の派遣事業は、今年で10回目になりますので教育委員会のこの事業に対する考え方を質しました。
 中学生の派遣事業は、第1回は16名の募集に117名の応募がありましたが、10回目の今回は30名の募集に46名の応募と少なくなって来ていますので、この状況についてどの様な感想を持っているのか、また、これまで参加した生徒たちが、その後どの様に成長しているのか、これまで5回も派遣先のオーストラリアでの語学研修先が変更になっていますが、選定の理由は何かあるのか、これに対し、昨年度までの募集の在り方や報告会の在り方に大きな原因があるので無いかと思っている。これまで参加した生徒のその後の調査はしていない。派遣先の選定は受入先の状況で固定出来ない(入札で旅行業者を決めていて部分的には業者任せ)等の答弁で、この事業に対しての教育委員会の積極的な姿勢は見えません。
 わたしは、若いうちに国外の文化に触れることは貴重な事だと思いますので、この事業の充実を願っていますので、受け入れ先の教育関係者を招碑するとか、この派遣は人材育成の一環としておこなわれていますので、派遣の選に漏れた子どもたち、また、諸般の事情で応募出来なかった子どもたちに対しては、生徒・子ども同志の交流を深めるために交換ホームステイなど考えてみるとか、受け入れ先と意見交換をする必要性を感じ、10回目を機会に人材育成事業の見直しを要望致しました。
 これに対し、再検討の時期に来ていると思っているとの教育委員会の答弁でした。
 
☆中心市街地の活性化について一般質問実施
 来年の11月の完成を目指して、吉原町の再開発事業が始まろうとしていますが、この開発事業の完成だけでは中心市街地の活性化には充分といえません。
 特に隣接する旧ジャスコの跡地の開発と、西鉄のバスセンターの店舗再開が合わせて求められます。
 飯塚市では、平成11年3月に「飯塚市商業活性化基本構想‘98」,「中心市街地活性化基本計画」を作成しその実施に向けて取り組んでいますが、この商業活性基本構想は、西鉄と旧ジャスコ地権者でありますサンリブの代表者も参加して作成されていますので、その後の両者に対する市の働きかけはどうなっているのか、また、中心市街地へのアクセスも活性化に重要ですが、特に昭和通りの都市計画道路の整備についてどう取り組むのか質しました。
 これに対して、旧ジャスコの跡地についてはサンリブに何らかの店舗開発をお願いしているが現時点では具体的な開発のプランは示されていないが、前向きな考えを頂いており今後も要望していきたいと考えている。西鉄についてもサンリブと同様の答弁でした。
 都市計画道路の整備の遅れにより、中心市街地へのアクセス、道路幅員が狭いため通行に支障があり影響はあると思っている。とのことで、市の都市計画道路の整備を全て完成するには80年間掛かる見通しであるとの答弁でした。
 また、吉原町の再開発と周辺との回遊性については、どう考えているのかとの質問に対しては、周辺商店街への回遊性には期待しており、期待される効果をより確実にするためにも市としては、新飯塚橋交差点の一部改良、吉原町本通り線の一方通行の解除等、改善策を考えているとのことでした。
 今回の質問に際し、西日本新聞の記事に、潮流を読む「観光まちづくり」に挑む、という由布院のまちづくりの記事がありましたが、この中で観光政策審議会の「21世紀初頭における観光振興策方策」答申の施策の柱のひとつ.基本は「地域住民・地域資源・来訪者の調和ある発展」「観光客が訪れてみたくなるまちは、地域住民が住みたくなるまち」で、力と活力あふれる地域の持続的な発展を図ることが要諦とされる。
ただ、非常に難しいのが現実でもある.と、ありましたことを参考に、観光の街づくりの考え方で、中心市街地の活性化に取り組めば個性ある街づくりが出来るのではないかと考え市の考えを質しましたが、時間が足りなくて充分な質問ができませんでした。
 今後この基本計画の進捗状況の確認を機会あるたびに行っていき、「飯塚らしい」街づくりを目指したいと思っています。
 
☆市民経済委員会報告
 現在、飯塚市では産学官協同で新産業づくりの施策を検討するために「飯塚市新産業創出ビジョン策定委員会」が設置され協議が重ねられ、取り纏めたものは12月定例市議会までに出来上がって来る予定です。
 わたしが、この中の協議で関心を持って見ているのが、ベンチャー企業への支援策です。
 飯塚市には、ここ数年でベンチャー企業が34社起業しています。
 個人的にベンチャー企業の方とお話しすると、「色んな会社に営業に行くと仕事の実績を聞かれ実績が無いので断られる」とのことでした。
 また、先日開催されました「飯塚市情報産業都市づくり市民研究集会」に参加した際に、パネルディスカッションのパネラーのベンチャ企業代表の方の発言を聞いていますと、営業の際に仕事の実績を聞かれることと、資金調達に苦労すると言っていました。
 ベンチャー企業の方に、既存の地元企業との結びつきをお尋ねしたところ関係が希薄であるとのことでした。
 飯塚市では、ベンチャー企業の起業のために研究テーマ探索事業補助金、起業家支援セミナー等の色々な施策を行って来ていますので、起業から企業への育成のため営業に対しての支援についても取り組むべきだと考え、市民経済委員会で、「ベンチャー企業の業務内容の多くは、ソフトウェア開発であり既存の地元企業を紹介することによってお互いにメリットが生じる可能性があるので、市が主催して、まず、地元企業とベンチャー企業の面接会を行う様に要望しました。」
 また、今後は営業面での支援について考える様に要望致しました。(これまで地元企業との面接会は開催されていませんでした。)
 飯塚市では、幸袋のリサーチパークにインキュベータ(起業家支援センター)施設を建設しますが、経済産業省の調査によればビジネス支援機能の無い施設とある施設では売上高の年平均増加率は43%と124%と3倍の開きがあるとのことです。
 また、調査からインキュベータ整備での企業支援を1千億円実施した場合、5年後9千7百億円の生産額、5万8千人の雇用が望めるそうです。
 支援活動の例としては「首都圏産業活性化プロジェクト」という産業集積地域にある産官協同設立の起業家育成組織「さがみはら産業創造センター」では、入居企業への経営・技術・市場・営業面での集中的な支援や企業PRを行っていて、支援事業の開始から間がないが、入居企業の年間売り上げは平均で千9百万円増えているそうです。