どうそ満後援会ニュース  2002年春号
 
         すゑ遠き若葉の芝原うちなびき
               雀鳴く野の春の夕暮
                           (藤原 定家)
 
土筆が出始め、菜の花が咲き、そろそろ桜が咲くのではと思っていたところ一気に満開の桜花となりました今年の春ですが、皆様お元気ですか。
 今年は、桜花の中ではなく葉桜の中の入学式になるのでしょうか。
 今年の春は、例年に比べ暖かく三十年に一度の気象現象だと聞きましたが、景気不況のおり天候だけでも通常の季節折々で有って欲しいと思っています。
 さて、今年の4月7日は飯塚市長選挙の投票日ですが、この議員活動報告の原稿を書いている時点では、立候補を表明しているのは現職の江頭氏だけですから、早ければ3月31日の告示日に今後4年間の(平成17年3月までに他の自治体と合併すれば3年間の可能性もありますが)市長が誕生することになります。
 何はともあれ、皆様のお手元にこの議員活動報告が届く時期には、新市長が決まっていると思います。
 飯塚市議会では、2月21日より3月19日まで3月定例市議会が開催されましたので、その報告を致します。
 
☆平成14年3月定例市議会報告
 平成14年の3月定例市議会は、2月21日より3月19日まで開催されました。
 今回の市議会では、平成13年度の各会計補正予算等の議案審議と、平成14年度の各会計予算等の12議案、条例議案7件、陳情2件、人事議案2件、議員提出議案5件、報告事項4件が審議されました。
 平成14年度の一般会計予算については、市長選挙の関係で継続的な事業主体の骨格予算となっていますが、その中でも主なものは、昨年に引き続き高校生15名を米国シリコンバレーに派遣する事業費、聴覚障害者・視覚障害者パソコン講習会費新産業創造支援事業費、中心商店街空き店舗対策事業補助金、吉原町地区市街地再開発事業費、健康の森公園市民プール新設事業費等です。
 また、この予算では、菰田保育所に子育て支援センタ丁を併設する費用、田川地区清挿施設組合から一時的にごみを受け入れる関係費用精神障害者地域生活援助事業補助金等が計上されています。
 水道事業会計では、13年度に引き続き給田浄水場の高度浄水施設整備関係の費用と、飯塚市と頴田町境の鮭田ノーイパス沿いに造成が行われています1市2町の共同施設建設費が計上されています 下水道事業会計では、公共下水道事業計画変更申請書等作成業務委託料が計上されていますが、これは認可区域を更に広げるためのものですが、給田地区では現在認可区域になっている場所より下流地域が含まれてきます。
 議員提出議案では、わたしが所属する会派から、「長期の経済停滞のなかで、4年連続の収入減、5%半ばの戦後最悪の失業率、相次ぐリストラ計画の発表など、国民は深刻な雇用とくらしの危機に陥っており、地域経済にも深刻な影響を及ぼしている現状を鑑み、介護、環境等社会インフラの拡充が急務な分野での雇用の創出を要望すると共に、合理的理由の無い解雇を禁止し整理解雇に対する規制を行う法律、パートで働く人たちの雇用条件の差別を禁止する法律を定める事を要望する「雇用の危機突破を求める意見書」を総理大臣、厚生労働大臣宛に出すことを提案し可決されました。
☆嘉穂劇場市登録有形文化財第1号に制定
 平成13年12月定例市議会で「飯塚市文化財保護条例の一部を改正する条例」が可決されましたが、この条例に基づき「嘉穂劇場」が、飯塚市の登録有形文化財第1号に制定されました。
 平成11年の12月定例市議会で個性のある街づくりを目指して、市内の歴史的価値のあるものを保護していく事を提案し、2年間掛かりましたが飯塚市はこの事を条例化し、今回早速この条例を嘉穂劇場に適用して近代遺産の保護育成に取り組むことになりました。
 今年の3月には、市内で雛祭りが広く行われましたが、会場の一つとして提供された「松月」を見られた多くの人たちは、雛人形の鑑賞も楽しみましたが、その建物の立派さに石炭景気賑やかなころに思いを馳せたと聞いています。
 市内には良いものが残されていますので、何とか後世に残されるならば残して欲しいものだと思っています。
 
☆児童クラブの拡充について
 飯塚市では小学校の低学年を放課後に預かる児童クラブの事業を行っていますが、この事業に対しては多くの保護者の方々から期待され評価されていると思いますが、現在のこの事業の制度では、小学校1年生から3年生の低学年を対象としています。
 わたしは、働く保護者の要望でこの制度の時間延長、夏休み等休日の受入体制の整備などを行政に求め、その意見は制度の中に反映されてきましたが、昨今の経済状況や児童の置かれている不安な社会環境を考えると、4年生以上の受入を考えて欲しいとの保護者の多くの声を耳に致します。
 そこで、今回はこの多くの声を反映するために「児童クラブの拡充」について一般質問をおこない市の前向きな対応を求めました。
 この制度の利用状況は、対象児童数は減少傾向にありますが、受入人数は毎年増加しています。
    平成10年度対象児童数2345人中入所児童560人
    平成14年度対象児童数2177人中入所児童661人
 平成10年4月9日に厚生省児童家庭局長より「放課後児童健全育成事業の実施について」の通知がだされていますが、この主旨は、少子化の進行や夫婦共働きの一般化など児童を取り巻く環境の変化に伴い児童福祉法が改正され「保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童に対し、授業の終了後に児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るものである。」とされていて、対象児童については、「一部に10歳を超える放課後児童も含まれること。」と同じ日付で厚生省児童家庭局育成環境課長の通知が出されています.
 また、平成13年12月20日には、厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課長より「放課後児童健全育成事業の対象児童について」として、「放課後児童のおかれている実情を勘案し、小学校(盲・聾・養護学校も含む。)に就学している4年生以上の児童も積極的に受け入れるよう配慮されたい。」との通知が出されています。
 わたしは、国の通知も踏まえると共に、現在の経済情勢、労働の雇用情勢を見ていますと、今より一層に共働き家庭が増えるのではないかと考えますし、児童への多くの事件が起きていますので、この際、児童の安全、保護者が安心して働けるためにも、小学校全学年を対象に、児童クラブヘの入所に取り組むことを市に要望いたしました。
 これに対し、市の答弁は、小学校以上についても入所させることが望ましいがと考えるが、そのためには施設の整備や指導員の増員などの財政的な問題もあるので、今後、市の財政及び国、県の補助拡大などを見ながら、関係各課と協議し検討して行きたいとの事でした。
 
☆健康の森整備の見直しを
 飯塚市では、財政の逼迫から第3次の行財政改革に取り組まなければなりません。
 苦しい財政運営の中で、新清掃工場の建設に伴い目尾地域振興計画として「健康の森公園整備事業に平成9年より平成23年完成を目指して取り組んでいますが、この計画を発表した時の社会経済の状況と現在の状況では著しく変化しているので事業の一部の見直しも視野に入れることを前提に第3次行財政改革に取り組むことを一般質問で要望いたしました。
質問
 健康の森公園整備事業(目尾地域振興計画)については、今回の予算にもプールの建設費用が計上されているが、全体計画に対してのこれまでの進捗状況はどうなっているのか。また、この事業に掛かる総予算は幾らで、これまでの整備には幾らの費用を使用したのか、また、これまでの費用の構成はどうなっているのか。
答弁
 平成9年度から平成23年度の事業完了までの総事業費は、約145億円を算定しており、その費用の内訳は国庫補助金32億円、地方債74億円、一般財源39億円、これまでの費用内訳は国庫補助金14億円、地方債15億円、一般財源14億円となっております。
質問
 地方債は一部国よりの交付税があるが、一般財源と合わせて市が最終的に持ち出さなくてはならない金額はいくらで計画しているのか。
答弁
 全体の総事業費145億円に対して、国庫補助金と交付税が84億円、地方債返済の交付税措置の無い部分と合わせて61億円の持ち出しとなります。
質問
 この事業を計画した時点での財政見通しと現時点のこの事業完成までの財政見通しの相違はないのですか。この事業計画に取りかかり5年間が経過したわけですが、社会の状況も大きく変化してきていますし、このままでは今後も市は40億円を超す負担をする事になりますが、全体計画の中の見直しも必要ではないかと考えますが、市の考えは如何ですか。
答弁
 今後の財政見通しでも土地売り払い収入を見込んでおり、依然と厳しい財政状況が続くと判断しています。事業計画は当初計画に沿っていく予定ですが、住民ニーズに大きな変化があれば、地元、議会の同意を得ながら検討して参りたいと考えています。
 
☆市町村合併について考える
 皆様ご承知のように市町村合併について色々と話題になってきています。
 この合併については、平成11年に「市町村の合併の特例に関する法律」が改正され特例措置が拡充されましたが、この法律の有効期限が平成17年3月末までとなっているため、有効期限内にその特例を受けるには遅くても現時点から取り組まないと時間的に無理が生じますので、各市町村が慌てて協議を仕始めた背景があります。
 飯塚市議会では、昨年勉強会を開催し、前向きに協議をしていく雰囲気が出てきていますので、早ければ4月に行われる臨時市議会でこの事が取り上げられ、合併問題を検討する特別委員会を設置することになると思います。
 わたしは、石炭関係諸法が期限切れになる今年3月末以降は、一役と筑豊地区の各自治体の財政状況は悪くなると考えますし、現に平成14年度の予算は前年度に比較して10%前後減少しています。
 自主財源の比率が低い現状を考えると、合併によって財政効率を上げなくてはこの地区に住む我々への行政サービスは、低下して行くのではないかと考えます。
 合併すれば国からの普通交付税はこれまでの金額が10年間は保障されますし、新しい街づくりに合併から10年間は交付税措置の高い合併特例債を使う事が出来ます。
 合併への論議を高め合併後の新しい自治体の将来像を描き出して、合併後の10年間で特例措置を有効に使用し新しい自治体の基盤づくりをするべきだと考えています。
 そこで間遠になってくるのが、どの様な規模で合併をすれば、市民のニーズにあった行政サービスが提供出来るのかであると考えます。
 現在、飯塚市は約8万人の市民がいますが、10万人の都市を目指すのか、20万人なのか、30万人なのか人口規模で考えていきますと、右の表の様に行政に与えられる権限に大きな差が生じます。
 しかし、10万人の都市であれば飯塚市と近隣の2・3の町との合併で良いわけですが、20万人となれば、嘉飯山地区の2市8町程度の合併が必要で、30万人となれば、嘉飯山地区と直鞍地区1市4町程度の合併が必要となってきます。
 今、嘉飯山地区が合併すれば、国の財政支援措置は約702億円になると言われていますが、合併する組み合わせでその金額は変わってきます。(例えば、飯塚市、庄内町、頴田町の1市2町では約271億円、これに稲築町を加えると約397億円)また、現在の議会の議員定数は嘉飯山地区2市8町合わせますと182名ですが、これが合併の規模では、人口5万人以上10万人未満は30名、人口10万人以上20万人未満は34名、人口20万人以上30万人未満は38名、人口30万人以上50万人未満は46名となります。
 この様な条件の中で、将来どのような街を作って行けば、自分たちにとって快適な生活を維持していけるのか、行政や議会だけでの議論ではなく多くの皆様の声が大事になって来ると思います。
 わたしは、皆様の声を大事にしてこの合併問題に取り組んで行きます。
 
☆入札制度インターネット活用
 平成13年12月市議会で「公共工事の入札及び契約の適正化の促進関する法律」では、当該年度の事業発注見通しを公表することを定めていて、その公共への閲覧の方法はインターネットの利用を求めていますが、電子入札に向けて飯塚市でも横須賀市の様にインターネットを活用することに早急に取り組むことを提言していました。
 その際に電子入札制度を、導入している横須賀市では、当該年度の工事発注見通しと共に入札の設計金額については事前公表を行い、誰が幾らで落札したかの入札結果もインターネットを利用して公表しているので、飯塚市でも出来るところからインターネットを利用するよう提言していましたが、その提言が聞き入れられ、平成14年度から4月、10月に工事の発注見通しを、また、これまでは、5千万円以上の予定価格を事前公表していましたが、4月より百万円以上のものを事前公表、5千万円以上の工事については、最低制限価格も事前公表することになりました。
 その他には、工事成績、業者の格付け名簿、指名停止処分も公表することになりました。
 国会では議員の色々な事業へ不当な介入が論議されていますが、飯塚市ではこの事によって工事に対して、一層の透明性が確保されると思います。