月やいづる星のひかりのかはるかな                       
  すずしきかぜのゆふやみのそら
                            (伏見院)
 皆様、お元気ですか.
 6月30日に定例市議会が終わり、梅雨空の中この議会活動報告を書いていますが、暑くとも良いからすっきりとした青空が出て欲しい今日この頃です.
 飯塚市の夏の夜は明るくなったのか、夜空を見る事がないのか、ここしばらく天の河を目にしていませんので、今年の夏は意識して夜空を眺めてみたいと思っています。
 さて、飯塚市議会では、6月13日より6月30日までの間、6月定例市議会が開催されました。
 この定例市議会では、平成15年度飯塚市一般会計補正予算(第1号)等の議案12件と議員提出議案5件、報告事項10件の審議が行われました。
 また、わたしは飯塚駅周辺整備について、学校週5日制に関連して教育委員会の取り組みについて一般質問を行いました。
 飯塚市議会議員定数を30人から25人に変更する議案を提出して可決されました。
 
☆市議会議員定数削減30人から25人へ
 飯塚市の市議会の議員定数は条例で30人と定められていますが、25人とするために(地方自治法第91条に基づき)議員提出議案「飯塚市議会の議員の定数を定める条例の一部を改正する条例」を提案致しました。
 市議会の議員定数は、地方自治法の改正により平成15年1月1日より条例により自主的に決定することに改正されました。
 これにより飯塚市議会の議員定数は人口5万人以上10万人未満の都市と言うことで30人を超えない範囲で定めなければならないことになりました.
 これを受け昨年の12月市議会で現行の30人の定数を追認する議案が提出され、議長を除く28人の議員中1人欠席、2人退席、残り25人中賛成14人反対11人で可決されました.
 わたしはこの採決の際、現行定数が30人で法の上限を満たしているから現行のままの定数を条例で定める事は、地方自治法の改正の主旨を考えると疑問がある、特に飯塚市が置かれている厳しい財政状況を考えると、議員の定数を減らすことに取り組むべきだと反対致しました.
 市の財政状況の厳しさを、議員定数の削減理由にするのは可笑しいとの批判を一部の議員からされましたが、今回の議員定数削減案を提出までの数ヶ月各議員に賛同を頂ける様に色々と相談を行い、議員提出議案として今市議会に提案をするに至りました.
 今回の議員定数削減案は、「現行の30人を5人削減し25人と定めるものです.」
 
 提案の理由は、平成10年度から19年度まで市が取り組んでいます第1次〜第3次行財政改革に、市議会としては第1次行財政改革の際33人の定数から3人減らし30人と致しましたが、一層の貢献をする立場から、市の職員定数が10年間で847人から190人減らし657人にすることを参考とし、その削減率を考慮し今回5人の削減を行い新定数25人と説明しました。
 (また、人口規模が同規模の217都市では109都市が議員定数25人以下で議会が運営されています。)これにより年間約4500万円の節税が見込めます。
 採決の結果は、議長を除く28人の議員中賛成21人反対7人で可決されました.
 今回、議員定数を削減することについて反対の議員からは、職員の定数と議員の定数は質が違う、議員が減ると民意が反映しなくなるとの意見が出さ和ましたが、わたしは市財政の厳しい状況下で職員だけに仕事の効率化を求めるのではなく、議員にも従来以上の活動が求められていると考えていますから、民意に則していると思います。
 市民の皆さんの意見は、相次ぐ地方議員の不祥事に議員が襟を正すことを求めていると理解しています。
 また、議員定数を削減するよりも議員報酬を減すことによって市の行財政改革に貢献すべきだとの反対意見がありましたが、年間約4500万円の節税効果を出すためには、現在月46万円の議員報酬を30人が約10万円程度減額する必要があります。
 報酬審議会は2年に1度開催されており、今年が開催年となっておりますので議員報酬についてはその審議に任せたいと思います.
 この可決された25人の議員定数は来年3月に行われる市議会議員選挙から適用されることになります。
 5名の議員定数削減は選挙が厳しくなることを示唆致しますが、次の選挙は嘉飯山2市8町合併まで1年を残す大事な選挙になりますので、わたし自身は皆様の民意を行政に反映するため一生懸命頑張る所存です。
 どうぞ、温かいご支援をよろしくお願い致します。
 
 「議員の議案提出権」は、地方自治法第112条で「議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる。」「議案を提出するに当たっては、議員の定数の12分の1以上の者の賛成がなければならない。」と定められていますので、飯塚市議会では3人の議員の賛同があれば議員自ら議案を出す事ができます。
 皆さんの声を行政へ届けます。ご支援をよろしくお願い致します。
 
☆嘉飯山2市8町合併協議報告
 嘉飯山2市8町の合併法定協議会が、4月3日に設置され月1度の開催予定で、41項目の合併協定項目の協議を今年の12月までに行い、その結果を来年の1月、2月に住民のみなさんに説明するスケジュールで進められています。
 また、この協議会には「新市議会議員の定数及び任期に関する小委員会」、「新市建設計画作成小委員会」、「新市名称・事務所の位置選定小委員会」が設けられ、わたしは、新市議会議員、新市建設計画の2つの小委員会に参加しています。
 6月27日に開催された第3回目の協議会では、(1)合併の方式については、新設(対等)合併、(2)合併の期日については、平成17年3月31日までに合併するものとする.(3)町名、字名の取扱いについては、新市の名称の後に現在使用している大字名を続ける.の3提案がありました.また、7月開催予定の第4回協議会では6項目の協定項目が提案され、8月開催予定の第5回協議会で各市町の意見を実質協議することになりました。
 小委員会で協議されます「新市議会議員の定数及び任期について」は、次の3の方法が考えられます。
 新設合併で新市が誕生した場合
 (1)原則(特例措置適用なし)
    合併直後の設置選挙            合併4年後の一般選挙
    新市の議員定数34人以内          新市の議員定数34人以内
 (2)定数特例(合併特例法外6条第1項適用)
    合併直後の設置選挙            合併4年後の一般選挙
   新市の法定数の2倍以内(68人以内)    新市の議員定数34人以内
 (3)在任特例(特例法第7条第1項第1号適用)
    嘉飯山2市8町の175人が          合併後2年以内で一般選挙
    2年を超えない範囲で在任         新市の議員定数34人以内
 
 今、各地の法定協議会で、合併直後の議会の議員数が問題になっていますが、これは、合併後の4年間の議員に係る費用に大きな差が生じるからであります.
 例えば、飯塚市の市議会議員の費用は年間約900万円ですが、これを合併後適用すると仮定して上記の3方法を見てみますと、次のようになります
(1)の場合 900万円×34人×4年間=12億2400万円
(2)の場合 900万円×34人×2×4年間=24億4800万円
(3)の場合 900万円×175人×2年間+900万円×34人×2年間
             =31億5000万円+6億1200万円=37億6200万円
 
☆平成15年6月定例市議会報告
 今回の6月定例市議会では、平成15年度飯塚市一般会計補正予算(第1号)、平成15年度飯塚市小型自動車競走事業特別会計補正予算(第1号)等の12の議案、議員提出議案5件、報告事項10件が審議されましたが、議員提出議案「政党助成制度〈政党交付金)の廃止を求める意見書の提出について」以外は全て可決されました。
 平成15年度飯塚市一般会計予算の主なものは、国道201号バイパス用地として上三緒の市営住宅敷地10985平方メートルの売却に伴う2億542万5千円の土地売払収入増、八木山花木園調査測量委託料、戸籍等電算入力業務委託料等です。
 小型自動車競走事業特別会計では、3連単導入に向けての新種車券発券機等入替設置費(平成15年度〜平成22年度総額4億8310万6千円)等が計上されました.
 条例議案の主なものは、住民基本台帳法が改正され住民基本台帳に関する規定が8月25日から施行されることに伴い、市独自の利用目的、手続き等を定める「飯塚市住民基本台帳カード利用条例」、住民基本台帳カードの交付、カードによる住民票等の写しの手数料を定める「飯塚市手数料条例の一部を改正する条例」、等です.
 住民基本台帳カード導入にういては、個人情報の保護の安全性に間遠があり反対するとの意見がありましたが、賛成多数で可決されました。
 この住民基本台帳カードについては、平成15年8月25日より利用することが出来るようにするもので、全国どこの市町村でも住民票の写しが取れるようになります。
 わたしは、将来の電子政府、電子自治体つくりのためには必要なICカードであるとの判断でこの導入に賛成致しました。
 今回の条例では、証明書自動交付機を利用して、住民票の写し、印鑑登録証明書の交付に限られていますが、平成14年9月に財団法人地方自治情報センターより出された「ICカード標準システムの概要」によりますと、この他に、(申請書を自動的に作成するサービス)・(検診、健康診断または健康相談の申し込み、結果の紹介等を行うサービス)・(事故、急病等で救急医療を受ける場合あらかじめ登録した本人情報を医療機関等に提供するサービス)・(災害時等において避難者情報の登録、避難場所の検索等を行うサービス)・(公共施設の空き状況紹介、予約等を行うサービス)・(図書館の利用、図書の貸出等を行うサービス)・(健康保険、医療保険等の資格確認を行うサービス)・(介護保険の資格確認、給付管理等を行うサービス)・(高齢者等の緊急通報を行うサービス)・(病院の診察券として利用するサービス)・(商店街での利用に応じポイント情報を保存し、これを活用するサービス)・(公共交通機関の利用に係るサービス)・(地域通貨、電子福祉チケット等に係るサービス)・(公共料金等の決裁に係るサービス)等への利用が可能であると言っています。
 
☆飯塚駅周辺の整備について一般質問を実施
 わたしは、5月15日付けの市報の学園都市通信に掲載されていました近畿大学九州短期大学の紹介で、通信教育の在学生が6,000名も居ることに驚きました。
 また、6月6日に開催されました地域情報化セミナーでこの大学の寺西学長補佐がこの通信教育の学生が全国からスクーリング学習のため飯塚市に訪れてその内約2,000人以上の人たちが宿泊してこの学習を受けているとの学校説明を聞きこれについても驚いた次第ですが、この事によって市の地元経済に対しても貢献していると思われますが、しかし、近畿大学九州短期大学に毎年全国から多くの人たちが訪れ、飯塚駅に降り立った時の飯塚市の印象はどうでしょう.
 また、学校までの通学路の状況はどうでしょう第4次飯塚市総合計画の中では、基本構想の4項目テーマ1「大学と一体となった活力あるまちづくり」が唱われていますが、その中には、(1)大学・産業・行政の連携、(2)大学・市民・行政の連携について記載されています.
 九州工業大学情報工季部、近畿大学九州工学部との連携については、色々な市民向け講演会等が開催されていますが、近畿大学九州短期大学との連携はどうでしょうか。
 また、この2つの大学の周辺整備と比較して、近畿大学九州短期大学周辺整備は行われているのでしょうか.
 今後、飯塚駅周辺の整備については、具体的にどの様に取り組んで行く考えなのか。
 飯塚駅の周辺整備を考える場合、この近畿大学九州短期大学を一つの核として取り組んではどうか、市の考えを質しました。
 これに対し、市としては平成12年11月に策定した「飯塚市都市計画マスタープラン」の中で、駅東側は住宅地、西側は商業地として土地の有効利用を図るとしており、7月には菰田地区の国道201号バイパスー部供用開始も予定されており、そのバイパスヘの接合道路を柏の森から忠隈の間に整備する事業を平成18年までに予定をしている。駅周辺整備は、駅前広場の整備、木の花・元宮線道路新設工事、短大正門前の歩道新設工事を既に施工済みとのことでした.また、短大は街づくりの一つの核として考えてはいるとのことでしたが、駅から短大正面までの歩道も案内標識も設置されていない現状では駅周辺の整備は不十分であり、市外からの人たちの視点で、今一度飯塚駅周辺整備に取り組む様に要望致しました。
 
☆「教育改革推進委員会」設置へ
 文部科学省は平成15年5月に「教育の構造改革・画一と受身から自立と創造へ」と言うパンフレットを出していますが、その中で、教育の構造改革を進めるため、(1)個性と能力の尊重、〈2)社会性と国際性の洒養、〈3)選択と多様性の重視、(4)公開と評価の推進、の4つの理念を掲げていますが、飯塚市の教育は構造改革が進んでいるのか一般質問を致しました。
 文部科学省が今年2月3日に「平成14年度公立小・中学校における教育課程の編成状況等の調査結果について」を発表しましたが、飯塚市でも各調査項目については実施されているのか確認したところ、実施されているとのことでした.
 わたしは、昨年6月市議会の一般質問で学校週5日制について質問を行い、飯塚市独自の教育に対する味付けをすることを要望していましたので、その後の取り組み状況を確認したところ、平成14年度は市内8地区の公民館で、小中学生を対象とした24の講座が開かれ延ベ398回開催され参加者は延ベ3932人あり、今後は、講座内容等を検討して内容を充実していきたいとのことでした。
 では、この1年間で学力向上の為の取り組みはどの様になされてきたのか確認したところ、各学校で9項目の内容について学力向上プランを作成し実践をしてきているとのことでしたが、果たして今取り組んでいる学力向上プランで事足りているのか。
 今、各自治体では文部科学省の「教育の構造改革」を受けて、学力向上のため積極的な取り組みをしてきています.
 (北九州市は、今年の4月から全小中学校で放課後年70回程度の補習に取りくみます.) (山田市は、CATVを利用しての全小中学生を対象に家庭での補習に取り組みます。)
 (群馬県の前橋市では、平成16年度から学校選択制を導入します。)
 (穂波町では、通学区域の選択制を導入しています.)
 (古賀市では、小中学校の2学期制を平成16年度試行し、平成17年度からの完全実施
  を目指します。)
 飯塚市では、この様な取り組みについて検討されているのか質したところ、教育委員会では一度も議論されていないとのことでした。
 各自治体では、学校教育の在り方に対する検討委員会・審議会を設置して、この様な取り組みをしています。
飯塚市のより一層の学力向上への取り組みについて考えを示す様、再度質しました結果、保護者、地域の人たち、教育関係者などから、幅広く意見を聞くため、例えば「教育改革推進委員会」などのような教育委員会の諮問機関の設置を検討するとの答弁でありました.